レシピを読んだり、何度も何度も耳にしたことがあるでしょう。お肉は必ず「繊維に逆らって(contre le grain)」スライスすべきだ、と。
でも、それはどういう意味なのでしょう?「繊維(le grain)」とは正確には何を指し、なぜそれに逆らって切ることがそれほど重要なのでしょうか?「繊維」とは筋肉の繊維が並んでいる方向を指し、それに逆らって切ることで噛みやすくなるため、とても大切なのです。
この記事では、お肉の繊維とは実際にどういうものなのか、そしてなぜそれがアジア料理においてこれほど重要なのかを、できるだけわかりやすく説明し、何よりも実際にお見せしようと思います。

お肉の繊維とは正確には何なのか?
大麦やチアシード、小麦のような穀物(grain)と混同しないでくださいね(ふふ、私ったら面白すぎるでしょう)。お肉の繊維はまったく別物です。それは筋肉の繊維が並んでいる方向を指します。上のバベットの写真では、繊維が右から左へ水平に伸びているのが見て取れます。
お肉の繊維は、部位によっては見分けやすいものもあります。フランクやオングレ(ハラミ)のようなかための部位のほうが、フィレのような赤身の部位よりも、繊維がはっきりと定まっていて見やすいのです。
なぜ繊維に逆らって切ることが重要なのか?
お肉の柔らかさを決めるのは、その部位だけではなく、どう切るかでもあります。まずは繊維の方向(筋肉の繊維がどの向きに並んでいるか)を見つけ、それと平行ではなく、繊維を横切るように切りましょう。

上の写真では、筋肉の繊維が上から下へ走っているのが見えます。繊維に逆らって切るとは、繊維と同じ方向に切るのではなく、繊維を横切って断ち切り、短くすることを意味します。こうすることで、筋肉の繊維をほぐすという大変な作業の多くがあらかじめ済んでいるため、噛むのがぐっと楽になります。
お肉を繊維に沿って(つまり筋肉の繊維と同じ向きに)スライスすると、ゴムのように噛み切りにくい一切れになってしまいます。切り方を変えるだけで柔らかくなったはずのお肉が、台無しになってしまうのです。
