エリスリトールは砂糖と同じ重量で置き換えられる。パッケージにはそう書かれています。そこで、基本的な3種類のお菓子、メレンゲ、キャラメル、チョコチップクッキーで試してみました。どうにか形になったのは1種類だけ。1種類は完全に失敗し、残る1種類には、試食した人たちがミントと勘違いする後味が残りました。
エリスリトールとは
ポリオール、別名「糖アルコール」の一種です。自然界ではブドウやメロンに含まれていますが、市販品は発酵によって製造されます。白い結晶状で、見た目はグラニュー糖によく似ています。
その性質は、2つの数字で理解できます。甘味度は砂糖の約70 %なので、同じ重量で使うと甘さは控えめになります。そしてカロリーはほぼゼロ。これが、低糖質やケトジェニックのレシピで人気を集める理由です。
お菓子作りでは、さらに重要な性質が2つありますが、パッケージでは触れられていません。エリスリトールは低温では溶けにくく、溶けるときに熱を吸収します。そのため口の中でひんやりと感じ、ミントが入っていると思われるのです。
検証方法
変える条件は1つだけ。白砂糖を、1 g単位で同じ重量のエリスリトールに置き換えます。それ以外はすべて同じにし、比較対象を並べて見られるよう、各試験では砂糖を使ったものも同時に作りました。数グラムの差が結果を左右するため、体積では量らず、すべて重量で計量しています。特にグルテンフリーでは、グラム単位の精度が仕上がりを変えます。
- メレンゲ:卵白50 g、エリスリトール50 g。泡立てながら少しずつ振り入れ、110 °Cで45分焼きます。
- キャラメル:エリスリトール50 gを、水を加えずに強火にかけ、完全に溶かします。
- クッキー:溶かしバター60 g、エリスリトール75 g、卵30 g、バニラエキストラクト4 g、重曹2 g、塩2 g、粉110 g(一方は小麦粉、もう一方はグルテンフリーのミックス粉)、チョコチップ50 g。175 °Cで9〜10分焼きます。

メレンゲ:泡立つけれど、ジャリジャリする
まずは良い知らせから。卵白はちゃんと泡立ちます。エリスリトールで泡がつぶれることはなく、砂糖の場合より少しつやが弱いものの、先端が鳥のくちばしのように曲がる、しっかりした角が立ちます。この点については役割を果たしています。
問題は指で触るとわかります。結晶が卵白の中で完全には溶けず、ざらつきが残るのです。粉末タイプのエリスリトールなら多少改善しますが、砂糖には及びません。
焼くと、その差はさらに明らかになります。砂糖のメレンゲはアイボリー色で乾いた仕上がりになるのに対し、エリスリトールのものははっきりした黄金色になり、中まで粒っぽさが残りました。食感が命のメレンゲやパブロバでは、これは致命的です。私は、当サイトのじゃがいもタンパク質で作るヴィーガンメレンゲやヴィーガンパブロバと同じく、砂糖を使います。

キャラメル:完全に失敗
エリスリトールは120 °C前後で溶け、完全に透明な液体になります。褐色にならず、香りもなく、キャラメルの味もまったく出ません。そのまま火にかけ続けても、それ以上の変化はありません。
冷めると、さらに困ったことになります。再結晶して白く硬い粒になり、見た目は粗塩そのもの。何かにかけてコーティングすることはできません。
理由は一言で説明できます。カラメル化とは熱による糖の分解ですが、ポリオールは化学的に安定しすぎていて、同じようには分解しません。また、ビスケットや焼き菓子の表面に焼き色をつける、タンパク質との褐変反応にも関わりません。本物のキャラメルには、本物の砂糖が必要です。当サイトの材料3つで作るアーモンドのキャラメリゼも、砂糖を使ってこそ作れます。

クッキー:食べられるけれど、納得はいかない
生地の段階ですでに兆候が見えます。乾いていて砂のようにぼそぼそし、丸めにくいのです。砂糖は水分を保持しますが、エリスリトールの保水力はずっと弱く、オーブンに入れる前から手触りで違いがわかります。
焼いてもクッキーは広がりません。ドーム状のままで、中の食感もしっとりしたクッキーというより小さなケーキに近くなります。味自体は悪くありません。すっきりした甘さがありますが、その後にひんやり感が残り、試食した人の半数が、入っていないはずのミントを感じたと言いました。
グルテンフリーのお菓子を作る方に役立つ点もあります。小麦粉を使ったものと、良質なグルテンフリーのミックス粉を使ったものに差はありませんでした。問題は粉ではなく、砂糖を置き換えたことにあります。
バターや油などの油脂を足せば、食感を補うことはできます。ただ、私はそうしません。そこまで変えると、もはや同じレシピではなく、カロリーを抑えるという置き換えの利点も一部失われるからです。妥協せず、きちんとまとまる焼き菓子を作りたいときは、ガナッシュ入りサブレを選びます。

結論:使えるお菓子、避けたいお菓子
エリスリトールは砂糖の代用品というより、かさのある甘味料です。この違いがすべてを決めます。砂糖が甘味をつけるだけなら使えます。ですが、焼き色をつける、溶けて生地を広げる、水分を保つ、形や食感を支えるといった働きが求められると、力不足になります。
したがって、向かないお菓子は大きく2種類です。メレンゲやパブロバは泡立ちますが、歯にジャリジャリと当たり、オーブンで黄色くなります。キャラメルやヌガティーヌはうまく固まりません。無色のまま溶け、再び硬い粒に結晶化してしまいます。
焼くと広がるタイプのビスケットには、条件付きで使えます。ただし、生地は乾き、クッキーはドーム状になり、ひんやりした後味が残ります。しっとりしたケーキやジェノワーズは今回試していませんが、主に卵と油脂で形を保つため、試す価値はありそうです。そしてムース、冷製クリーム、トリュフなど、焼かないお菓子なら仕上がりを損なわずに使えます。エリスリトールに欠けている機能が、どれも求められないからです。
実際、私は冷たいお菓子や焼かないお菓子に使うことにしています。チョコレートムースや砂糖不使用の抹茶トリュフには、焼き色をつけたり、生地を広げたりする必要がありません。こうしたお菓子なら、無理なく置き換えられます。グルテンフリーのジェノワーズも試す価値はありますが、アントルメの土台として使う前に、必ず味見をしてください。
よくある質問
砂糖を置き換えるには、エリスリトールをどのくらい使えばよいですか?
パッケージには「同じ重量で」とあり、それでも作れます。ただし甘味度は砂糖の70 %ほどなので、仕上がりの甘さは約3分の1減ります。甘さを補おうと量を増やすと、結晶の量も増え、乾燥やざらつきにつながります。1:1のまま甘さ控えめのデザートとして楽しむか、同じ量で砂糖と同じ甘さになるよう調整された、エリスリトールとステビアの混合品を選ぶほうがよいでしょう。
エリスリトールでお腹が緩くなることはありますか?
ポリオールの中では最もお腹への負担が少ないものです。小腸で吸収されて尿から排出されるため、マルチトールやソルビトールと違い、腸内でほとんど発酵しません。不快感が出始めるのは、一度に多量に摂った場合で、目安としては、とても甘いケーキを大きく切った1切れほどの量です。通常のデザート1人分なら、ほとんどの人にとって問題にはなりません。
高温で使えますか?
加熱しても分解したり甘味が失われたりすることはなく、その点は問題ではありません。問題は、120 °C前後で溶けても色がつかず、冷めると再結晶することです。そのため、キャラメル化、褐変、黄金色の焼き目を必要とするお菓子には使えません。
フランスではどこで買えますか?
オーガニック食品店の砂糖・甘味料売り場、大型スーパーの健康食品コーナー、そして通販で買えます。1 kg当たりの価格が最も安いのは通販です。「エリスリトール」という名前、または食品添加物コード「E968」で、結晶タイプと粉末タイプが販売されています。クリーム、ムース、アイシングなど、溶かして使うものには、粒子の細かい粉末タイプを選びましょう。
このガイドはシェフのRommel Reyesと共同で制作しました。彼の活動はInstagram、ニュースレターのSubstack、YouTubeチャンネルでご覧いただけます。