だしとは?
だしはとてもシンプル。日本のスープストック(だし汁)のことです。日本料理には欠かせない存在で、ほかの複雑で時間のかかるブイヨンと違い、材料が少なく、作るのにわずか20分ほどでできます。しかも、とにかくおいしい。
一般的な作り方はとても簡単。まず冷水またはぬるま湯に昆布(だしの要となる海藻)を浸し、リッチにするなら鰹節の削り節を加えます。さらに、イワシやアンチョビ、干しシイタケ、エビ、豆類、もやしなど、さまざまな乾物を加えることもあります。

だしの起源
だしの起源はスープの歴史とともにあります。人類が食材を加熱すれば安全に食べられると気づいたときから、その利用は一気に広まりました。
改良型のだしは、カツオを乾燥させて鰹節にするようになった古代から食されています。本格的に普及したのは、そのずっと後の明治時代。高価だった鰹節に代わる素材を日本人が探し始めたことが追い風になりました。
だしの味は?
だしはうま味が非常に強いブロスで、日本料理に欠かせない甘みと塩味のはっきりしたニュアンスが感じられます。どちらかというと完成したスープというよりベース(フォン)に近い存在です。少量の塩(たとえばたまり醤油)や、みりんで甘みを補うと、風味がいっそう際立ちます。

だしの使い方は?
だしのいちばん基本的な使い道は、味噌汁のベースにすること。野菜や鶏のブイヨンの代わりにだしを使えば、本場の味噌汁になります。味の違いは歴然です。
そのほか、つけだれ、麺のつゆ、煮込み、シチュー、鍋など幅広く使えます。もう一つのアイデアとして、ソースに少量加えてみてください。うま味がグッと増します!

だしの種類
ざっくり言うと、だしには5つの種類があります。
基本のだし(“awase dashi”):昆布(乾燥海藻)と鰹節から作るベースのだしです。味噌汁に最適!
ヴィーガンだし(“kombu dashi”):魚を使わない最もシンプルなだしで、昆布だけで作ります。ベジタリアン/ヴィーガンの方に、また魚が主役の料理で風味を邪魔したくないときに。

かつおだし(“katsuo dashi”):こちらは逆に、鰹節の薄削りだけを使い、昆布は使いません。麺のスープや野菜料理に最適です。

アンチョビのだしまたはイワシのだし(“iriko または niboshi dashi”):おそらく最も手頃なだし。かつおだしに似ていますが、やや高価な鰹節の代わりに、より安価な干しアンチョビや煮干しイワシを使います。味噌汁や煮込み料理に◎。すでに風味の強い魚料理との併用は避けましょう!
きのこのだし(“shiitake dashi”):昆布だしに似ていますが、昆布の代わりに干し椎茸を使います。これだけだと風味が強くないため、昆布だしやかつおだしと合わせて理想のだしにすることが多いです。中華料理を含むあらゆる料理に最適です。

粉末だし
料理に使うための本格的なだしを取る時間がない? そんなときは粉末だしが解決策です。準備に時間をかけずに、レシピにだしの風味をしっかり加える、いちばん手軽な方法です。
調理中の食材に上からサッと振り入れるだけ。もう少し「きちんと」やりたいなら、粉末だしと熱湯を等量で溶かして、だしの代用品として使ってもOK。

とはいえ、原材料表示は要チェック。うれしいことに、クラシックなだしの材料をそのまま粉末化した製品も多く、超加工食品に頼らず本格の味が楽しめます。いいこと尽くしですね。
だしの代用
料理ではよくあることですが、手元にだしがない場合はほかの食材で代用できます。置き換えたいだしの種類、あるいは最終的に出したい風味をよく考えて選びましょう。
とても簡単です。かつおだしやいりこ/煮干しだしを置き換えたいなら、求めているのは魚の風味ということ。レシピに白身魚の小さな切り身やエビを加えるとよいでしょう。この代用はお好み焼きのような料理にも有効です。
ヴィーガン(ベジタリアン)向けのだしを置き換えたいときは、海藻類やきのこでも代用できます。どうしてもという場合は、引き出しの手前で眠っている昔ながらのブイヨンキューブに頼るのもアリですよ!

材料
- 2 L 水
- 30 g 昆布
- 30 g かつお節
指示
- 中鍋に水と昆布を入れる。中火にかけ、沸騰させる。

- 火から下ろし、かつお節を加える。10分おく。

- 細目のこし器で漉し、昆布とかつお節は取り除く。

