チリパウダーとは?
チリパウダーは、料理にほどよい辛みを添える頼れるスパイスミックス。身近な香辛料をブレンドした、香り高い混合スパイスです。
「チリパウダー」と呼ばれるのは、チリ・コン・カルネの味付けによく使われるため。見た目は赤い粉状で、辛みの要であるカイエンペッパーを少量、風味づけに主にクミンとガーリックパウダー、さらにオレガノやパプリカ、時には塩が加わります。
チリパウダーの種類とその違い
この記事で扱うのはチリパウダー(chili powder)で、唐辛子そのものを挽いたチレパウダー(chile powder)とは別物です。英語レシピでは表記がとても似ているので要注意!
チリパウダーはあくまで複数のスパイスを合わせたミックスで、その中にカイエンペッパーやパプリカといった唐辛子系の粉も含まれます。ただし本来のチリパウダーには、先ほど挙げた他のスパイス(にんにく、クミンなど)が必ず入り、ブレンド全体の辛さをやさしく整えています。

一般的なチリパウダーは、カイエンペッパー1に対して他のスパイス7の割合。つまり、同量で比べるとカイエンペッパーはチリパウダーの約8倍も辛いのです。
当然ですね。カイエンペッパーは辛い唐辛子を乾燥させて作る純粋な唐辛子粉。パプリカパウダーも同様に(こちらはとてもマイルドな唐辛子が原料の)純粋な唐辛子粉で、他のスパイスは混ぜません。
ですから要注意!レシピでチリパウダーの代わりに唐辛子粉を使うと、料理は激辛になるだけで、チリパウダーが本来もたらす複層的な風味が失われてしまいます。
チリパウダーの風味は?
チリパウダーに期待する味わいは、いわゆる「テクス・メクス」な風味。クミン、にんにく、オレガノの香りに、唐辛子由来の穏やか〜中程度の辛みが重なります。塩が含まれることもあるので、レシピ全体の塩分調整の目安にしてください。
チリパウダーの使い方
チリパウダーは肉料理にも野菜料理にも幅広く使えます。基本のコツはひとつ。スパイスミックスを加えるベストタイミングは、他の材料を合わせて加熱を始めたときです。

いちばんポピュラーなのは、やっぱりチリ・コン・カルネ。ほかにもエンチラーダやタコスなどのラテンアメリカ料理に加えるのが定番です。肉好きなら、グリル直前の肉にすり込むのもおすすめ。一方で、スープやベイクドビーンズなど“肉々しくない”料理にも活躍します。
さらに上級編として、ローストしたひよこ豆やカリッとしたトルティーヤチップスなど、自家製スナックの風味アップにも手軽に使えます。
チリパウダーの代用
スパイス棚にチリパウダーがない?大丈夫、慌てないで。最高のチリパウダーは、あなたの手作り。しかも簡単です。必要なスパイスはおそらくその棚にもう揃っています。次の項で自家製チリパウダーの作り方を説明します。

自家製ブレンドを作りたくない/作れない場合でも心配無用。市販のタコスシーズニングなど、近い味のミックスを使ってもOKです。
唐辛子粉で代用したくなるかもしれませんが、両者の違いを思い出してください。得られるのはチリパウダーの“辛さ”だけで、“風味”は戻りません。どうしても使うなら、用量は8分の1を目安に。うっかり火を噴くことになりかねません。
自家製チリパウダーの作り方
自家製チリパウダーはとても簡単。適切な割合で混ぜ合わせるだけです。最重要なのはクミンとガーリックパウダー。カイエンペッパーが全体の辛みをキリッと引き締めます。以下の配合を目安に、お好みで調整してください。

材料
- 1.5 クミンパウダー
- 1.5 ガーリックパウダー
- 0.5 カイエンペッパー
- 2 乾燥オレガノ
- 2 パプリカパウダー
- 0.75 オニオンパウダー
指示
- すべてを混ぜ合わせる
Notes
Nutrition
チリパウダーの保存方法
手作りのチリパウダーが余ったら、密閉容器に入れて保存してください。市販品と同様、直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で保管します。
保存期間はさまざまですが、自家製は6カ月以内の使用がおすすめ。市販品なら最長3年持つこともあります。いずれにせよ、時間とともに風味は落ちるので、長期保存はほどほどに。
