もちもちのうどんに、とろりとやさしい日本のカレーが絶妙に絡む、心も体も温まる絶品和風レシピ
カレーうどんは、和食(伝統的な日本料理)と洋食(西洋文化の影響を受けた日本料理)が見事に融合した、日本を代表する一品。伝統的なうどんのだしに、日本のカレー(ルーツは西洋料理)を合わせて仕上げます。
カレーうどんが誕生したのは明治時代末期(1900年代初頭)。当時、うどんやそばの専門店は流行の洋風カレーライスを出す新興店に客足を奪われ、なんとか顧客を呼び戻そうとして生み出したのが、このカレーうどんでした。
カレーうどんの誕生秘話
発祥には、東京・早稲田説と大阪・谷町説の二つがあります。
早稲田発祥(東京・1904年):
1904年頃、東京・早稲田大学近くの蕎麦店「三朝庵(さんちょうあん)」の加藤浅次郎氏が、カレーうどん(当初はカレー南蛮)を生み出したと伝わります。カレーライスの人気に着目した加藤氏が、だしとしょうゆベースの和風スープにカレールウを溶かし、片栗粉でとろみをつけて、うどんにしっかり絡むよう工夫したのが始まりでした。
元祖レシピには、当時は鶏肉や牛肉よりも格下と見なされていた豚肉と長ねぎを使用。三朝庵は地元の商人たちと独自のスパイスブレンドも共同開発しました。2018年に惜しまれつつ閉店しましたが、今なお多くの人が元祖カレーうどんの店としてその名を語り継いでいます。

大阪発祥(1908〜1909年):
もうひとつの発祥地は大阪・谷町で、1908〜1909年頃とされます。東京出身の蕎麦職人・角田酉之助が「東京そば」を開業。当時うどん文化が主流だった大阪では苦戦しましたが、洋食ブームをヒントに「そば+カレー」のカレー南蛮を考案。独自のスパイスブレンドも編み出し、このレシピは大阪・関西で人気となり、逆輸入の形で東京にも広がりました。現在も東京・目黒の「朝松庵」でその伝統が受け継がれています。

いずれにせよ、大正時代(1910年代)には東京・大阪の多くの店でカレーうどんやカレーそばが一般化し、爆発的に普及しました。1910年には三朝庵と組んだ田中屋が「携帯用チキューマークカレー粉」の商標を登録し、麺料理向けのカレー粉が市販化される転機にもなりました。当時の料理雑誌にもカレー南蛮のレシピが掲載され、現在でも再現されています。
まとめると、多くの文献(新聞、企業アーカイブ、1972年の『蕎麦辞典』など)から、カレーうどんは明治時代に生まれた創作料理で、うどんのだしにカレー粉(またはルウ・小麦粉)を加えてとろみをつけ、麺に絡ませて完成させることがわかります。当時の基本レシピ(現在の原型)は、だしベースのスープにしょうゆとカレー粉(もしくはルウ+小麦粉)、そしてシンプルな具(肉・長ねぎ)を合わせ、片栗粉でほんのりとろみをつける構成でした。
カレーうどんの主なスタイルとバリエーション
カレーうどんは各地で多彩なご当地スタイルが発展しています。なかでも知られるのが名古屋風カレーうどんで、地元名物「名古屋めし」として定着。標準レシピは片栗粉でとろみをつけますが、名古屋では小麦粉ベースのカレールウを使い、鶏がらやかつお節の濃いだしでのばすのが特徴です。

この製法で作ると、とろみのある濃厚なポタージュ風のクリーミーなスープに。名古屋のうどんは極太でもちもちで、コクのあるスープと相性抜群です。1950〜60年代には即席カレー(オリエンタルカレー)の普及とともに、さらに人気が高まりました。
こうしたご当地文化に加え、基本のカレーうどん自体も地域で違いがあります。関東(東京)では豚肉や鶏肉+長ねぎが定番、関西(大阪・京都)では牛肉が主流。「カレー南蛮(長ねぎ入り)」と「カレーうどん(玉ねぎ入り)」を区別する人も少なくありません。
カレーうどんには大きく二つのスタイルがあります。ひとつは本格・伝統派(蕎麦屋スタイル)。かつおと昆布のだしにカレー粉ととろみを合わせ、繊細な旨みとスパイス感を両立させます。もう一つは家庭の味。前日のカレーをだしやめんつゆでのばして再利用する、コク深く素朴なスタイル。家庭で人気ですが、お店の味とはまた異なります。
カレーうどんの主な材料

うどん(麺):コシともっちり感が魅力の日本の麺。温かみと心地よい食感を添えます。
薄口しょうゆ:マリネやスープにほどよい塩味と旨みをプラス。
日本酒:スープに深みとほのかな甘みを与えます。
みりん:やさしい甘みでカレーやだしの味をまとめ、日本料理ならではの風味を添えます。
ごま油:仕上げに香ばしい香りをプラス。
だし: 昆布やかつお節からとる日本独自のスープストック。手軽な粉末タイプも使えます。
日本のカレールウ: 市販品でも手作りでもOK。

Ingredients
- 200 g 豚バラ肉 薄切り
- 2 人前 ゆでうどん
野菜・香味野菜
- 1 玉ねぎ 薄切り
- 3 片 にんにく みじん切り
- 2 本 青ねぎ 小口切りにし、白い部分と青い部分を分ける
トッピング
- ごま油
- 青ねぎの青い部分 小口切り
Instructions
- 豚肉は、最低10分間マリネしておく200 g 豚バラ肉, 1 大さじ 薄口しょうゆ, 1 小さじ コーンスターチ
- 中華鍋に油を入れ、強火で熱する
- マリネした豚肉を加える
- 焼き色がしっかりついて火が通るまで炒め、取り出す
- 火を中火〜強火にし、玉ねぎを数分炒める1 玉ねぎ
- にんにくと青ねぎの白い部分を加え、2分ほど炒める3 片 にんにく, 2 本 青ねぎ
- だし、薄口しょうゆ、酒、みりんを加えて、ひと煮立ちさせる700 ml だし, 2 大さじ 酒, 2 大さじ 薄口しょうゆ, 1 大さじ みりん
- ゼラチンを加える2 枚 ゼラチン
- 沸騰したら、スープをおたま一杯分取り分け、別のボウルでカレールウをしっかり溶かす2 個 日本のカレールウ
- 溶かしたルウを鍋に戻し入れる
- ふたをして15分煮る
- その間に、うどんを袋の表示どおりにゆでて水気を切る2 人前 ゆでうどん
- 豚肉を鍋に戻し、さらに5分煮込む
盛り付け
- うどんを器に1人分ずつ盛り付ける
- 具入りのスープをたっぷりかける
- 仕上げにごま油をひと回しするごま油
- 小口切りの青ねぎを少量トッピングする青ねぎの青い部分
Notes
Nutrition
参考文献・出典
- https://ja.wikipedia.org/wiki/カレーうどん(カレーうどん – ウィキペディア)
- https://news.nissyoku.co.jp/restaurant/grs-42-0015(「三朝庵」カレー南蛮発祥・加藤久丈氏インタビュー – 日本食糧新聞)
- https://japanesetaste.com/blogs/japanese-taste-blog/an-introduction-to-japanese-curry(日本のカレー紹介 – Japanese Taste)
- https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13022123/dtlrvwlst/4497374/(カレーうどん発祥の早稲田の老舗蕎麦店 – 食べログ)
- https://housefoods.jp/data/curryhouse/know/trends02.html(カレー南蛮の起源について – ハウス食品)
- https://www.sirogohan.com/recipe/kare-udon/(自家製カレーうどんの作り方 – 白ごはん.com)
- https://www.foodinjapan.org/japan/curry-udon/(カレーうどん – カレースープ入りうどん)
- https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13022123/dtlrvwlst/B111736190/(東京のレストランレビュー)
- https://www.reddit.com/r/JapaneseFood/comments/o18hmu/how_is_curry_udon_supposed_to_be/(カレーうどんとはどんなもの?)